昨今では、環境や健康に配慮した大替肉がさまざまあります。
その中でも大豆から作られたものは、よく目にする機会が増えたのではないでしょうか。
そして今回紹介するのがエアプロテインと呼ばれる空気から作られた大替肉です。
空気から作るとはどういうことなのか、世界を救うかもしれない大替肉・エアプロテインについて紹介していきたいと思います。
さまざまな代替肉がある
大替肉は、植物性の食材で作られており、さまざまな種類があります。
大豆を原料とした大豆ミートなどが有名で、最近では培養肉もよく目にすることが多いです。
どうしてこのような大替肉が必要かというと、家畜などの動物を守る動きが強いことと、環境保全の意識が高まっているからです。
我々が肉を食べるためには、もちろんですが、動物を殺すことにつながります。
そのことをなくすために大替肉は作られました。
また家畜のゲップやオナラに含まれるメタンガスは、二酸化炭素の28倍もの温室効果を持っています。
つまり代替肉によって、家畜を大量飼育しなくてよくなれば、そのメタンガスを減らすことができ、地球温暖化を防ぐことにもつながります。
さらには、森林伐採問題、水問題、食糧問題などを解決することもできますので、いいことづくめでしょう。
空気から作る代替肉・エアプロテイン!
驚くべきことに、空気を原料とするエアプロテインが誕生したとのこと。
これまでの大替肉だと植物性の原料が必要でしたが、エアプロテインは、空気中の二酸化炭素を原料としている大替肉。
まさか空気からタンパク質が生み出せるなんて、衝撃的ですよね。
エアプロテインは空気から作る
空気から作り出すとはどういうことなのでしょうか。
空気中に含まれている二酸化炭素をタンパク質に変換し、精製、乾燥を経て、パウダー状にします。
そしてパウダー状となったタンパク質から代替肉を作るといった工程になりようです。
空気中の炭素をパウダーにしたものは、通常のプロテインと同じイメージですね。
宇宙技術から着想を得た
この技術は、かつてNASAが行っていた宇宙食開発の研究を元にしているそうです。
今回この技術を実現したのは、米国カリフォルニア州のスタートアップ企業「Air Protein(エア・プロテイン)」です。
同社は代替肉を「Air Meat(エア・ミート)」と命名し、鶏肉とホタテの2つの味と食感を再現しています。
ゆくゆくは、牛肉、豚肉、さまざまなシーフードを再現できるように開発しているとのこと。
エアプロテインのメリット
エアプロテインにはさまざまなメリットがありますので、紹介していきたいと思います。
環境に左右されることなく生産が可能
原料がどこにでもある空気のため、環境に左右されることなく作ることができます。
そのため、あまぞんの森林火災や地球温暖化による土地減少、人口増加などの問題への解決につながると言われています。
栄養素が豊富
エアプロテインは、水素酸化細菌を用いて作られており、アミノ酸が豊富なのはもちろん、ベジタリアンが摂取しにくいビタミンB12やナイアシン、チアミンなどのビタミンB群も含んでいます。
また農薬、除草剤、ホルモン剤なども不使用となるため、安全性も高いです。
アレンジが可能
エアプロテインはパウダー状のため、人工肉を作ったり、食品に混ぜたり、ドリンクに入れたりなどさまざまなアレンジが可能となります。
地球環境にやさしい
エアプロテインは、最も地球環境に優しい代替肉と言われています。
空気中の二酸化炭素を原料としていることと、製造過程において温室効果ガスを排出することがないので、地球温暖化に貢献。
また、農業や畜産などのように広大な土地を必要としないため、資源が少なくて済みます。
エアプロテイン1kgあたりで使う土地は約52万分の1、使用する水は約11万分の1で十分とのこと。
さらに、製造期間は4日と短く、鶏肉は5カ月、牛肉は2年かかるので、その短さがわかります。
これらのことから、地球環境や食糧問題を解決する鍵になるとされています。
エアプロテイン小屋の構想も
エアプロテイン小屋とは、自宅の庭や街の避難所、山間部などにエアプロテイン生成システムを持った小屋を設置しておくというものです。
いざという時に小屋を利用することで、食料を配給することが可能となります。
また、自給自足の生活を送る人たちのために活用することも想定されているようです。
空気から作る代替肉・エアプロテイン!のまとめ
空気からタンパク質を作り出すことができるなんて、いよいよすごい時代がやってきましたよね。
生きていくためには絶対に欠かすことのできないタンパク質ですが、摂取するためには、動物を殺さなくてはいけませんでした。
これからはその必要もなくなり、地球環境にも配慮することができるとなれば、エアプロテインが当たり前の時代がやってくるでしょう。
今はまだ一般販売などはされていませんが、将来的にはスーパーの精肉コーナーに並んでいることが普通となるかもしれませんね。