世界中で脱炭素が実現させるために進んでいるカーボンプライシング。
聞き馴染みのない言葉かもしれません。
カーボンプライシングが進むことでどのような効果があるのでしょうか。
カーボンプライシングについてやメリット・デメリットなどを紹介していければと思います。
カーボンプライシングとは?
カーボンプライシングとはどのようなものなのでしょうか。
いま世界的に、二酸化炭素を排出しない脱炭素社会に向かっています。
その二酸化炭素の排出量を減らすために、排出される炭素に価格をつけることをカーボンプライシングと呼んでいます。
炭素に価格をつけることによって、炭素を排出する業者は排出量を減らすか、排出量に応じた金額を支払うことになります。
カーボンプライシングの種類
カーボンプライシングには、明示的カーボンプライシングと暗示的カーボンプライシングの2種類があります。
昨今話題となっているのが、明示的カーボンプライシングに該当する「炭素税」と「排出量取引」です。
両者に優劣などはなく、重要な施策ですので、どちらについても理解しておくといいでしょう。
明示的カーボンプライシング
明示的カーボンプライシングとは、温室効果ガスの排出に直接的にコストを設けるものです。
こうすることで、企業や家庭が自発的に排出量を減らすということが期待されています。
明示的カーボンプライシングの代表は、「炭素税」と「排出量取引」。
「炭素税」
二酸化炭素の排出量に応じて負担を求める税制。
「排出量取引」
温室効果ガスを排出する個々の事業者に対して、温室効果ガスの排出枠(排出の許容量)を設定し、その排出枠の取引を可能にする制度。
暗示的カーボンプライシング
そして暗示的カーボンプライシングとは、排出量削減につながる事業に対して税制優遇をしたり、化石燃料等に広く課税したりする間接的な仕組みとなっています。
明示的カーボンプライシングに比べて、排出量削減の効果は限定的になるので、今は明示的カーボンプライシングの方が目立っています。
カーボンプライシングのメリット・デメリット
カーボンプライシングにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
カーボンプライシングのメリット
メリットとしては、二酸化炭素の排出量を減らすことができることです。
また、経済問題や環境問題に対する税収を得ることができる点となっています。
実際にスウェーデンでは、5年で15%ほどの減少に成功しているとのこと。
カーボンプライシングのデメリット
デメリットとしては2つあります。
1つ目が、ものづくりの盛んな日本において、鉄鋼業や化学工業など温室効果ガスの排出がともなう一部産業に影響を与えてしまう点です。
その影響から日本経済にも打撃を与えてしまう可能性が示唆されています。
2つ目が、企業が生産拠点を炭素税の安い海外に移してしまう可能性です。
このことで、「産業空洞化」が起こってしまうことが懸念されています。
カーボンプライシングのまとめ
紹介してきたように、今世界的に導入が進んでいるカーボンプライシング。
地球環境を守るためには、重要な施策となってくるでしょう。
日本では、まだまだ導入が進んではいないようですが、地球温暖化対策のための税(地球温暖化対策税)という制度が始まっており、段階的に進んでいるようです。
これから少しずつ制度が整備されていって導入が進んでいくのでしょう。
企業などだけじゃなく、個人レベルでも温室効果ガスの排出に対して意識していく時代が来ているのかもしれませんね。