炭素税の日本導入の現状は?メリット・デメリットを紹介

炭素税の日本導入の現状は?

地球温暖化の対策としてよく聞くカーボンニュートラル。

温室効果ガスを減らそうとする試みが進んでいますが、その対策の一つとして、世界中で炭素税の導入され始めています。

炭素税とはどのようなもので、導入することにどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

日本では導入されているのかなどを紹介していきたいと思います。

炭素税とは?

炭素税とは?
『出典:Unsplash』

そもそも炭素税とはどのようなものでしょうか。

使用すれば二酸化炭素の排出量が増加してしまう化石燃料や電気などに対して課税するものを炭素税と言います。

この炭素税は、燃料を多く使う際には、価格も上昇するため、使用量を減らすことにつながることが目的です。

実際にヨーロッパ諸国の炭素税を導入している国では、二酸化炭素の排出量を減らすことに成功しています。

炭素税の日本導入の現状は?

では、日本での炭素税の導入についてはどうでしょう。

2012年から、地球温暖化対策のための税(温対税)が炭素税として導入されています。

ですがヨーロッパ諸国の炭素税に比べ、この温対税は税率が低いため、温室効果ガスを大幅に削減することにはつながっていないようです。

2021年3月には、環境省が炭素税の本格導入について検討段階に入ったとされているので、これからの動向に注目されています。

炭素税のメリットとは?

先ほども紹介したように二酸化炭素の排出量を減らすメリットの他にはどのようなものがあるのでしょう。

  • 地球温暖化対策への意識が高まる
  • 環境対策への収入
  • 省エネ製品の普及

課税によって支出も増えるとなると、企業だけでなく、家庭レベルでも意識が高まることでしょう。

また、炭素税によって得られた税収で新たな環境対策技術を開発することもできますし、省エネ製品を開発する企業を優遇することで、省エネ製品の普及につなげることもできます。

炭素税のデメリットとは?

炭素税のデメリット
『出典:Unsplash』

炭素税の導入は、良いことづくしのように思えますが、デメリットとされることもあります。

  • 低所得者への負担増
  • 産業の空洞化
  • 産業界へのダメージ

炭素税は、二酸化炭素排出量に対して一律にかかってしまうので、所得の低い人ほど負担は大きくなってしまいます。

また、日本国内で炭素税の負担が大きくなると、企業が海外で活動することを促進してしまう可能性があります。なかなか活動を制限することはできないので、産業の空洞化が起こってしまう危険性が生じます。

そして、日本のものづくりを支える鉄鋼や化学業界に大きなダメージを与える可能性です。これらの産業は二酸化炭素の排出量が多いため、炭素税がかかってしまうと、より厳しくなってしまいます。このことから反対意見が多くあることが、炭素税がなかなか進まない理由です。

日本の炭素税はいくら?

日本で導入されている炭素税である地球温暖化対策税(温対税)はいくらなのでしょうか。

この温対税は、1トン当たり289円となっています。

スウェーデンが約1万4400円、フランス約5500円、デンマーク約3000円ですので、税率の低さがわかるかと思います。

このままでは、二酸化炭素排出量削減への効果は薄いため、温対税を増税するか新たな炭素税を導入するかを想定しているようです。

近い将来には、本格的な炭素税の導入されることでしょう。

炭素税の日本導入の現状は?のまとめ

地球温暖化対策など、地球環境に対しての意識が高まってきていますが、対策していることなどありますでしょうか。

日本でも本格的に炭素税が導入されて、二酸化炭素の排出量に対してお金がかかるようになれば、より二酸化炭素排出に対しての意識も高まっていくことでしょう。

個人レベルでも地球環境を守る活動をできるようになりたいですね。