織物の歴史を大きく変え、18世紀の産業革命の引き金となった革新的な発明「飛び杼(とびひ)」。世界史の教科書やテストでも頻出する重要ワードですが、「どのような仕組みで動くのか」「英語ではどう表現するのか」「なぜ産業革命で重要だったのか」を詳しくご存知でしょうか?
本記事では、飛び杼の読み方・意味・英語表現などの基本知識から、構造と仕組み(画像・動画付き)、発明者ジョン・ケイの歴史、そして紡績機との違いまで、図解を交えてわかりやすく解説します。
- 飛び杼(とびひ)の読み方・意味・英語表記(Flying Shuttle)
- 【画像・動画】飛び杼の仕組みと従来の手織り機との違い
- 発明者ジョン・ケイ(John Kay)と開発の背景
- 産業革命において飛び杼が果たした決定的な役割(糸不足の発生)
- よく混同される「飛び杼」と「紡績機」の違い
🎯 この記事はこんな方におすすめです
- 「飛び杼(とびひ)」の読み方・意味・英語表現(Flying Shuttle)を知りたい方
- 飛び杼の仕組みや構造を、画像や動画で分かりやすく知りたい方
- 世界史のテスト対策で「飛び杼」と「紡績機」の違いを整理したい方
- 発明者ジョン・ケイの背景や、なぜ産業革命を引き起こしたのか知りたい方
飛び杼(とびひ)とは?読み方・意味・英語表現(Flying Shuttle)
飛び杼(とびひ)とは、布を織る機械(機織り機・織機)で横糸(緯糸)を高速で通すために使われる装置です。1733年にイギリスの発明家ジョン・ケイ(John Kay)によって発明されました。

引用:HELP-BLOG
読み方と「杼(ひ)」の意味
飛び杼の読み方は「とびひ」です。「杼(ひ)」という漢字は、機織りで横糸(緯糸)を巻いた管を納め、縦糸の間に通すための木製の道具(シャトル)を意味します。
英語表現は「Flying Shuttle(フライング・シャトル)」
飛び杼は英語で「Flying shuttle(フライング・シャトル)」と表現します。
- Flying: 飛んでいるような、高速の
- Shuttle: 杼(ひ)、往復するもの
元々は単に「shuttle(シャトル)」と呼ばれていましたが、左右に取り付けられたローラーと弾き出し装置により、まるで飛ぶように高速で縦糸の間を移動することからこの名がつきました。なお、宇宙船の「スペースシャトル(Space Shuttle)」や「シャトルバス」の語源も、この定期的に往復する「杼(Shuttle)」から来ています。
【英語での使用例・関連用語】
- John Kay invented the flying shuttle in 1733.
(ジョン・ケイは1733年に飛び杼を発明した。) - Flying shuttle loom: 飛び杼付き機織り機
- Weaving / Weaver: 織工 / 織り手
【画像・図解】飛び杼の仕組みと動作原理
飛び杼の最大の凄さは、シンプルな構造でありながら従来の作業効率を何倍にも引き上げた点にあります。

引用:HELP-BLOG
従来の手織りと飛び杼の仕組み比較
従来の手織り機と飛び杼の具体的な仕組みの違いは以下の通りです。
| 項目 | 従来の手織り機 | 飛び杼(フライング・シャトル) |
|---|---|---|
| 横糸の通し方 | 作業者が自分の手で杼を持って左右に投げ渡す | ひも(コード)を引っ張り、ハンマーで杼を弾き飛ばす |
| 必要人数 | 幅広の布の場合、左右に2人が必要 | 幅広の布でも1人で作業可能 |
| 生産スピード | 低速(手が届く範囲に限定) | 従来の約2〜4倍のスピード |
飛び杼は、装置の左右に配置されたひも(ピッキング・コード)を片手で引っ張るだけで、底面にローラーがついた杼がレール上を弾き出され、自動的に縦糸の間を素早く滑り抜けます。これにより、一人でも広幅の布をハイスピードで織ることが可能になりました。
【動画】飛び杼の実際の動き
言葉や画像だけではイメージしづらい実際の素早い動きは、以下のデモンストレーション動画をご覧ください。
日本国内の伝統工芸でも、飛び杼を取り入れた機織り機(半高機など)が受け継がれており、繊細かつ高速な織布作業を支えています。
発明者ジョン・ケイと産業革命への大きな影響

飛び杼を発明したのは、18世紀イギリスの機械技師・発明家であるジョン・ケイ(John Kay / 1704年〜1779年頃)です。
なぜ産業革命において飛び杼が重要なのか?(技術革新の連鎖)
飛び杼の発明(1733年)は、単に布が早く織れるようになっただけでなく、イギリス産業革命全体を加速させる決定的な引き金となりました。
- 布(織物)の生産スピードが急上昇する
飛び杼の普及により、従来の数倍のスピードで布が作られるようになりました。 - 深刻な「糸不足」が発生する
布を織るスピードが上がった結果、原料となる綿糸や羊毛糸の供給が全く追いつかなくなりました(織布工程のボトルネック化)。 - 紡績機の発明ラッシュを引き起こす
この極端な糸不足を解消しようと、糸をつむぐ技術の開発競争が激化。ハーグリーヴズの「ジェニー紡績機」、アークライトの「水力紡績機」、クロンプトンの「ミュール紡績機」などが次々と発明されました。
つまり、「飛び杼(織布技術)の発明」が「糸不足」を生み出し、それが「紡績技術の革命」へ波及したことこそが、産業革命の波を起こしたメカニズムなのです。
同姓同名の「ジョン・ケイ」に注意
歴史のテストや学習で受験生が非常によく混乱するポイントとして、同時代に「ジョン・ケイ」という同姓同名の人物が二人存在します。
- 飛び杼を発明したジョン・ケイ(本記事の人物): 1733年に飛び杼の特許を取得した発明家。
- 時計職人のジョン・ケイ: 1760年代にリチャード・アークライトと共に水力紡績機を開発した技術者。
試験対策や歴史の調べものでは、二人のジョン・ケイを混同しないよう注意が必要です。
「飛び杼」と「紡績機」の違い
歴史用語の中で最も混同されやすい「飛び杼」と「紡績機」の違いを、役割と工程から整理しました。
| 区分 | 飛び杼(とびひ / Flying Shuttle) | 紡績機(ぼうせきき) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 糸から「布(織物)」を織る(織布) | 綿や羊毛から「糸」をつむぐ(紡績) |
| 工程上の位置づけ | 後工程(織布工程) | 前工程(紡績工程) |
| 代表例・関連発明 | ジョン・ケイの飛び杼、カートライトの力織機 | ジェニー紡績機、水力紡績機、ミュール紡績機 |
まとめ:飛び杼(Flying Shuttle)は歴史を揺るがした大発明
飛び杼(とびひ)は一見するとシンプルな機械構造ですが、布の生産性を飛躍的に高め、糸不足を引き起こすことで産業革命のイノベーションを連鎖させた歴史的重要アイテムです。
- 読み方は「とびひ」、英語表記は「Flying shuttle(フライング・シャトル)」
- 1733年にジョン・ケイが発明
- ひもを引くシンプルな仕組みで、1人で幅広の布を素早く織ることが可能に
- 布の大量生産が「糸不足」を生み出し、その後の紡績機発明ラッシュにつながった
画像や動画で構造を確認すると、当時の知恵がいかに画期的であったかがよく分かります。歴史の背景や仕組みを知ることで、産業革命の大きな流れをより深く理解することができるでしょう。
