トヨタが開発した「全固体電池」とは?その特徴とメリット・デメリット

トヨタが開発した「全個体電池」とは?

トヨタが出光興産とタッグを組み、EV向けの全固体電池を量産化することを発表されました。

全固体電池とは一体どのようなものなのでしょうか。

今回は、トヨタが実用化を目指す全固体電池について、メリット・デメリットを紹介していきたいと思います。

全固体電池とは?

全固体電池とは、電解液を液体ではなく固体で使用する電池のことです。

従来の電気自動車(EV)に搭載されているリチウムイオン電池は、電解液に溶け込んだリチウムイオンが正極から負極に移動することで充電・放電が行われます。

しかし、電解液が液体であるため、電解液の漏れや劣化による発火・爆発などのリスクがあります。

一方、全固体電池は、電解液が固体であるため、電解液の漏れや劣化による発火・爆発などのリスクを大幅に軽減することができます。

また、電解液の濃度を高くすることができるため、エネルギー密度を高めることができます。

まだまだ開発が進んでいない点により、実用化には至っておらず、実用化に向けた技術開発が進められています。

全固体電池は、安全性やエネルギー密度を向上させることができる次世代の電池です。

トヨタが開発した全固体電池の特徴

上記でも紹介しましたように、全固体電池には、数多くのメリットがあり、まだ実用化には至っていません。

この全固体電池をトヨタが、次世代のEVに搭載するために開発を進めています。

すでに実用化に向けての目処が立っているフェーズに入っており、もし全固体電池を搭載したEVが完成すれば、

  • 走行距離1000←これまでの2倍
  • 約10分でフル充電

となるようです。

これだけ大きなメリットがあるのならば、ぜひ実現して欲しいですよね。

メリット

全固体電池のメリットについて紹介したいと思います。

寿命が伸びる

全固体電池は、リチウムイオン電池に比べて、性能の劣化が少ないため、非常に寿命が長いことがメリットとなります。

充電時間が短縮

先ほども紹介しましたように、充電時間を非常に短くすることができます。

リチウムイオン電池ですと、急速に充電するほど熱を持ち、高温化になると性能劣化のリスクがあります。

全固体電池は、高温にも強いために、発熱の危険性が低く、安全に急速充電が可能となっています。

安全性が向上

全固体電池は、可燃性の材料を使っていないため、安全に性能を発揮して使用することができます。

設計の自由度が増す

リチウムイオン電池のように液漏れがないため、構造が強固である必要がなく、構造に制限がありません。

そのため、自由度が高く、小型化や薄型化など工夫をこらすことが可能となっています。

デメリット

デメリットについて紹介していきたいと思います。

コストがかかる

実用化するにあたり、これまでの設備とは違う、新しいものを用意しなければなりません。

新たに発生する課題などもクリアしながら、安全性もしっかりと担保していかないといけないため、初めのうちはコストがかかってしまうことでしょう。

危険性

全固体電池の電解質として使われている、硫化物が使われていることが懸念されています。

もし事故などで大気中に漏れ出してしまうと、人体に影響を与える硫化ガスが発生する可能性があります。

その際に、雨などが降っていると、より危険度が増してしまいます。

トンネル内だとより深刻になります。

もちろん、トヨタが開発しているものは、安全性が高く、ゼロではないけど、できる限り硫化ガスが発生しないように設計しているとのこと。

実用化はいつ?

全固体電池の実用化は、2027年を目指しているとのこと。

そして、2030年には、量産・事業化を視野に入れているようです。

『クルマの未来を変えていく』をテーマに、開発を進めているトヨタ。

もしこの技術を搭載したEVが発売されれば、世界中で、大人気となるのではないでしょうか。

まとめ

今回、全固体電池の実用化に向けての発表をされたトヨタ。

エネルギーの効率が良いだけでなく、充電時間の短縮も素晴らしいですし、これまでに見たことのないようなデザインのEVが登場する可能性もあります。

実用化、量産化までもう少しありますが、どうなっていくのか本当に楽しみですね。